20世紀に入ると、レブナーは活躍の場を大きく広げていく。1936年のベルリン大会をはじめ、オリンピックの公式タイムキーパーを務める栄誉を獲得。1938年には、のちに伝説となるルドルフ・カラツィオラ/メルセデスベンツによる公道(フランクフルト~ダルムシュタット)最速記録432.7km/hの計測も担当した。
しかし、1939年の第二次世界大戦開戦とともに軍需産業への転換を余儀なくされ、終戦とともにその歴史に幕を下ろすこととなった。
2023年、ブランド休眠から実に79年の時を経て、レブナーは2つのウオッチコレクションとともに復活を果たした。
復活したレブナーの時計デザインは、エルメスやピアジェでキャリアを積んだ著名なスイス人デザイナー、エマニュエル・ディートリッヒが手掛けている。彼は20世紀におけるスポーツタイミングの先駆者としての同社の歴史にインスピレーションを得て、機能的かつユニークな21世紀のモダンなスポーツウオッチを生み出した。
現在のラインナップは、「スティールレーサー」と「スレッジ」の2モデル。
「スティールレーサー」は1920年代から1930年代のレーシングカーからインスピレーションを得ており、1920年代のレブナー製スポーツタイミングストップウオッチがデザインソースとなっている。
リューズは特許取得済みのSledge®リューズプロテクターの下に配置されており、このプロテクターはリューズの保護機能に加え、リューズ操作中のクロノグラフスタート/ストップボタンのロック機能も兼ね備えている。
経過時間は分散型時間表示という革新的な方法で表示され、そのためのクロノグラフムーブメントは独創的なアシンメトリックレイアウトで開発された。
一方、「スレッジ」の人気 オーデマピゲ コピーデザインは精密な計時システム用の歴史的な保護ケースからインスピレーションを得ている。「スティールレーサー」と同様に、特許取得済みのスライド式クラウンプロテクター「LÖBNER Sledge®」がリューズを保護する構造となっている。
分目盛りは精巧な構造で溝付き回転ベゼルに接続されており、リューズを操作することなく簡単に調整が可能だ。この機構により、回転ベゼルを使用して文字盤上で経過時間を直接測定できる。
現在、大沢商会直営店のフォーチュンタイム表参道店において「インディペンデントウォッチブランドフェア」が開催されており、レブナーの実機を実際に見ることができる。
戦争という歴史の荒波に飲み込まれながらも、その精神と技術が現代に蘇ったレブナー。79年の時を経て甦った伝説の時計メーカーが、日本のウオッチラバーたちにどのような感動を与えるのか注目したい。
