2026年秋冬シーズンのパリ・ファッションウィーク(PFW)は公式スケジュール最終日の10日、ルイ・ヴィトンとミュウミュウという2大ブランドのショーで幕を閉じた。この後も各ブランドの展示会は続くが、パリの街全体を舞台にした華やかな時間は、この日を区切りに収束していく。
最終日の朝10時30分、日本ブランドのウジョーのショーが予定されていた。会場に着き席に着いた瞬間、朝日新聞のコラム「エアメール」の筆者でもあるWWD JAPAN欧州通信員の藪野淳さんから「あれ、後藤さんはルイ・ヴィトンには行かないの?」と声をかけられた。
ルイ・ヴィトンのショーは正午開始だと思い込んでいた。会場も地下鉄で20分ほどの距離なので十分間に合うはずだった。しかし藪野さんによると「11時30分開始で、15分には入り口が閉まるそうです。(WWD JAPANの)村上要編集長はもう向かいましたよ」という。時計を見ると10時45分。ショーはまだ始まらない。藪野さんに礼を言い、申し訳なさを感じながらも会場を後にした。
有力ブランドは会場だけでなく、スケジュールでも「いい時間帯」を押さえている。たとえば、前日まで開催されているミラノの現場から移動してくるバイヤーやジャーナリストにとって、PFW初日の午前中のショーに出席するのは難しい。
同様に、最終日の夕方以降もすでにパリを離れる人が多く、有名ブランドがそうした枠に入ることはほとんどない。また、有力ブランド同士のショーは時間が連続しないよう配慮されている。ショー開始が遅れることが常態化しているPFWでは、今回のように招待客が次の会場に間に合わず、見てもらえない事態が起きてしまうからだ。
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逆に言えば、独立資本の小規模ブランドにとって、公式スケジュールのどの日時で発表できるかは極めて重要になる。有力バイヤーや著名編集者に見てもらってこその新作だからだ。もちろん発表日時を決めるのは主催者である。
PFWの取材を10年以上続けてきて、そうしたブランドのデザイナーや創業者たちがどれほど努力を重ねているかを知っている。少しでも多くのキーパーソンに来てもらうため、前後に予定されている有力ブランドの会場を調べ、自分たちのショーをその近くで開催したり、主催者にスケジュールの調整を交渉したりする。しかし、マスメディアとして大きなブランドの動向を伝えるのは使命であり、読者の期待も大きい。苦渋の決断だった。
ルイ・ヴィトンの会場はルーブル美術館の敷地内だった。多くのブランドが利用する「隣接施設」ではなく、美術館の敷地そのものに、このショーのためだけの特設会場が設けられている。
到着したとき、フィギュアスケートで五輪金メダルを獲得したばかりのアリサ・リュウ選手がフォトコールを終え、席へ向かうところだった。ショーが始まった。抽象的でショーピースらしい大ぶりのルックから幕を開ける。続いて、シャツのようなカーディガン、ファーをショルダーやラペル(前襟)にあしらったジャケットなどが登場した。足首に向かって細くなるテーパードパンツも多く、その中にはサイドが大きく開いた大胆なデザインもある。バッグを手で持つのではなく、棒の先につるして見せるという斬新な演出も印象的だった。
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